ディフェリンゲルのニキビの治療効果と副作用の可能性について徹底解説!
海外ではニキビ治療薬として有名な「ディフェリンゲル」。
日本でも2015年に新しく認可され、皮膚科で処方されるようになりました。
そんな新しいお薬「ディフェリンゲル」の効果や副作用を解説します!
ニキビ治療薬ディフェリンゲルが及ぼす作用は、炎症のない白ニキビ・黒ニキビといった初期段階ニキビの治療、そして炎症をおこしたニキビの治療が主体となります。
炎症にまで発展しておらず、小さな毛穴の詰まりの状態である「微小面ぽう」や、初期段階の白・黒ニキビといった「面ぽう」に作用して、ニキビの症状が進行するのを防ぎます。
また、症状が進行して炎症を起こしている赤ニキビを減らす作用もあり、炎症の強いニキビへの発展を防ぎます。
では、ディフェリンゲルとは一体どういう薬で、どんな成分がニキビに作用するかを詳しく見ていきましょう。
ディフェリンゲルは2008年10月に、外用レチノイドの保険適用可能な薬として認可を受けた、比較的新しいニキビ治療薬です。
ニキビに有効な成分・アダバレンが含まれたゲル状の軟膏であり、患部に塗って治すタイプの外用薬となります。
国内のディフェリンゲルは、「ディフェリンゲル0.1%」という商品名で販売されていますが、この有効成分・アダパレンが0.1%含まれていることに由来しています。
海外で販売されているディフェリンゲルはさらにアダバレン含有濃度の高い「ディフェリンゲル0.3%」が治療に用いられます。
では有効成分・アダパレンをクローズアップしていきましょう。
アダバレンとは「レチノイド(ビタミンA誘導体)」と似ている「ナフトエ酸誘導体」です。
レチノイドを使用した外用薬は、美容整形・皮膚科で処方されることの多いトレチノインが有名でしょう。
ちなみにトレチノインは、角質剥離や表皮のターンオーバーの促進、皮脂分泌の抑制や繊維芽細胞の活性化など、肌に対してさまざまな効果を持つ有用な薬です。
トレチノインとディフェリンゲルの違いを見ると、有効成分の性能差が目につきます。
両者の有効成分を比較すると、どちらも肌のトラブルを解決したり健康に保ったりといった性能があるものの、レチノイドが第一世代であるのに対し、アダバレンは第三世代と比較的新しい成分です。
医療業界で、似た成分でありながら後発という存在はそのほとんどが先発の欠点を補い長所を伸ばしたものが多く、このアダバレンも例外ではありません。
同じ濃度で比較してもアダバレンの方が効果の発現は早く、副作用も少ないという治験結果が出ています。
トレチノインは肥大した角質(皮膚の老廃物)を剥離して毛穴の詰まりを解消するという方法ですが、ディフェリンゲルに関しては、顆粒細胞から角質細胞へと変貌することを抑制して、ニキビを未然に防ぐという薬効です。
前者は不要な部分が出来てからこそぎ落とすという方法で、後者はそもそも不要な部分・余剰部分を作らせないように肌を健康に保つという手法をとります。
覚えておきたい点としては、ディフェリンゲルの効き目の速度が挙げられます。
保険薬として認可されているだけに、安全性を確保するためにディフェリンゲルの効きは、0.1%と弱めの濃度で固定して調合されています。
一方、角質を削るといったピーリング効果ではあるものの、処方箋であるトレチノインは患者ひとりひとりの症状の重度に合わせて濃度調整が可能であるため、効果を発揮するスピードはディフェリンゲルを上回ります。
ニキビ症状の進行度合や、治したい期間に見合った薬剤をチョイスするのがベターです。
臨床試験での使用結果から、ディフェリンゲルを服用することにより12週間で60%以上のニキビが減ったという報告があります。
もし顔にニキビが10個あれば、4個にまで減るという計算になります。
ただ、効果の項目でも述べた通り、初期段階である白・黒ニキビや、中期の赤ニキビまでが効果範囲であり、それより重症化したり既にクレーター痕が残った状態まで進むとケアできません。
当然ながら、個人の体質によっては合わないこともあるため、効き目が全く実感できない場合は違う治療法・薬を検討する必要があります。
後述しますが、副作用としてかゆみや肌のヒリヒリとした刺激、赤みが出る可能性が高いですが、よほど酷い症状でない限りは「薬が効いている証」であるため、踏みとどまって投薬を続けましょう。
続いて、ディフェリンゲルの使い方について詳しく見ていきます。
用法は1日1回、夜の就寝前に塗布します。
洗顔をしてビタミンC誘導体ローションを塗った後、低刺激保湿化粧品で保湿をして、ディフェリンゲルを頬・額・顎に広げながら塗ります。
1回の塗布量の目安としては、大人の人差し指の第一関節分の長さをチューブから出して(0.5g)、顔全体に塗るイメージです。
トータルとして、1ヶ月に1本使い切るのが目安と考えると良いです。
角質の薄い目の周囲や唇、小鼻など粘膜に近い部位への塗布は避けるようにしてください。
手順の際に挙げた、ローションと低刺激保湿化粧品を先に塗るのはきちんと意味があります。
ディフェリンゲルの薬効成分を的確な部位に留めるために、必要な手順であるからです。
仮に保湿クリームをディフェリンの後に塗布すると、クリームによって薬効成分が引き延ばされて本来不要であった部位にまで薬効成分が広げられてしまいます。
せっかく必要な部位に必要な分量を塗布したはずなのに、薬効成分が薄まり効果が薄くなるため、薬効をキープするためにもディフェリンゲルは最後に塗ってください。
ちなみに、朝方はゲルを塗らなくても良いですが夜と同じ手順を踏んで、低刺激保湿化粧品で保湿した後にゲルの代わりに日焼け止めを塗ると日中の肌が守られて治療効率が良いです。
塗布する際の注意点として、皮膚刺激感は強めであるため、切り傷やすり傷、湿疹のある場所には塗らないようにしなければなりません。
万が一、目に入ってしまった場合はすぐに水で洗ってください。
前日に塗り忘れた場合も、薬の指定通り就寝前に適量を使用します。
1日に2回塗ったり、1回に2回分の分量を塗らないようにしましょう。
医師の指示や薬の用法用量を厳守して、誤って多く使った場合も医師または薬剤師に相談して指示を仰いでください。
ディフェリンゲルに含まれるアダパレンは、ビタミンA誘導体と作用・効能が似ているため、ニキビ治療の他に「美肌効果」も期待できます。
ニキビ治療に半年以上ディフェリンゲルを使用し続けていて、肌のキメが細かくなったり、毛穴が目立たなくなるケースも見られるからです。
ただし、これらはあくまで副産物であり、ニキビ治療とは異なり全てのケースに見られる効能ではないため、美容目的のみで使用するのはやめましょう。
あくまでニキビ治療薬であるということを念頭に置いて、用法用量を守りつつ最低1ヶ月は使用して様子を見ることが正しい使用方法です。
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どんなすぐれた薬にも、大小の差はあれ副作用が存在します。
ディフェリンゲルにも当然ながら服用する上で副作用は出てしまいます。
出現する症状は、乾燥や肌のヒリヒリとした刺激感、皮膚が剥けてくる落屑(らくせつ)、紅斑とかゆみの5種類で、大抵はこれらが複数一緒に出現します。
しかし、覚えていて欲しいのは通常の薬品で言う副作用とは少し性質が異なるという点です。
本来の意味としては、医薬品を使用した時に生じる、治療目的に沿わない作用全般を指します。
ディフェリンゲルの場合、使用して発生するかゆみなどの症状は、薬の効果が目に見えたと同時に現れる症状、つまり治療目的であるニキビや肌の改善に沿った正常な症状という扱いになります。
そのため、皮膚科の医師の間では副作用ではなく「随伴症状」と呼ぶことが多いです。
使用方法の項目でも述べた通り、これら症状が現れたということは薬効成分が患部に効いているという証明でもある訳です。
ここでは随伴症状を、一般的な呼び名である副作用に一旦戻します。
ディフェリンゲルの副作用は、使用者の約80%に見られるものです。
通常、1ヶ月ほどで副作用は落ち着いてくるため、あきらめずに治療を続けましょう。
ただし副作用の程度によっては、医師が治療を一時中断する場合もあるので、その場合は必ず医師の指導に従ってください。
副作用が出る理由として、ディフェリンゲルが毛穴の詰まりを防ぐために、繊細である肌の角質の生成を抑制することで生じる、肌のバリア機能低下が挙げられます。
皮脂の分泌が多くなっても毛穴の詰まりを防げばニキビの発生を抑えられますが、角質の生成を抑制した分角質層が薄くなって、ただでさえ繊細な顔の表面の皮膚のバリア機能がさらに落ちてしまい、肌が乾燥しやすくなったり刺激に弱くなってしまいます。
この薬効によって、肌のかゆみや赤み(発疹)、ヒリヒリ感や乾燥を招く結果となります。
ただし、先述の通り通常1ヶ月ほどでこの症状は落ち着いてくるため、辛抱強く服用およびケアをしましょう。
症状の出やすい頻度順に見ていきます。
乾燥やかさつきは全体の56.1%と過半数を占めます。
薬効によって角質層が薄くなり、水分蒸発を防ぐ力が弱まって肌が乾燥したり、かさつきが見られます。
ヒリヒリする刺激や不快感・熱感は全体の47.6%と、こちらも半数に迫ります。
同じくバリア機能が低下するため、刺激に対して敏感になる結果かゆみや痛みなどの不快感が発生します。
化粧水がしみるといった弊害が出ることもあります。
その場合、できるだけ刺激の少ない化粧品を使用するなどして対処しましょう。
日焼けの後のように、皮膚がポロポロと剥けてくる「落屑(らくせつ)」は33.5%と比較的高めです。
こちらは、角質層が薄くなったことによって、肌のターンオーバーが促進されて通常よりも細胞の入れ替わりのサイクルが早くなっていることで起こる現象です。
注意したいのは、気になるから・かゆいからと言って無理に剥がさず、自然に剥がれ落ちるのを待つべきという点です。
無理に剥がすと炎症による色素沈着(シミ)の原因になるため、くれぐれも無理矢理取らないようにしましょう。
この他、皮膚の表皮が薄くなって真皮層にある毛細血管が透けることで赤みが出たり(約20%)、乾燥によるかゆみ(13%)なども挙げられます。
むやみに触れたり、引っかいたりせず日々のケアを続けましょう。
他にも対処法としては、塗布量や塗布面積を少なめにする、使用頻度を減らすなどが挙げられます。
慣れないうちは2日おきにして、慣れてきたら1日1回に戻したり、通常の塗布面積に戻すと良いでしょう。
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