ニキビのタイプ・症状
【基礎知識 - ニキビのタイプ・症状】
ニキビができるメカニズム
肌の毛穴周辺のターンオーバーが正常におこなわれないと、毛穴が詰まり、角質が硬くなるため、皮脂がつまりやすくなることがあります。
コメドの生成
角質が硬くなると、皮脂が毛穴の中にたまってしまい、ラードのような塊となってコメドが生成されます。このコメドが形成された場合は、肌表面が少し盛り上がり、指で触れると少し固まりがあるかなと感じられます。しかし、見た目にはわかりづらいため、あまり気がつきません。この段階で綺麗にコメドを取り出すことができれば、ニキビは綺麗に治るため、なるべくこの段階で処置することがおすすめです。
白ニキビに変化
このコメドが形成された状態は白ニキビと呼ばれ、軽く押すと粘り気のある白い液体やコメドが出てきます。
赤ニキビに変化
白ニキビをこのまま放置しておくと、炎症がひどくなり赤ニキビと呼ばれる状態に悪化し抗生物質での治療が必要になります。毛穴の中に詰まった皮脂を栄養として、アクネ菌が繁殖し、そのせいで炎症が起こります。アクネ菌は常在菌と呼ばれ、誰の肌にでも100%住み着いており、通常肌表面のバランスを整えてくれる役割を担っているので、実は肌に必要な菌なのです。赤ニキビになるとニキビの炎症が広がるので、ニキビ痕が残るか確率が上がります。
黄ニキビに変化
赤ニキビの症状が重症化すると黄色ニキビになり、色素沈着やクレーターの原因となってしまうため、自分で潰すのは控え、クリニックでのカウンセリングを受けるようにしましょう。ニキビ治療は、症状が軽い方が治療費用も少なくて済みますし、肌への負担も少ないため、なるべく早めに受診することが大切です。
ニキビの症状と特徴
ニキビが悪化する過程にはそれぞれ段階があり、症状が異なります。
微小面ぽう
ニキビの原因になる状態は「微小面ぽう」といい、毛穴が狭くなり、皮脂や角質が詰まり始めます。この状態は肉眼で確認することができないためなかなか改善は難しい状態です。
白ニキビ
初期段階は「白ニキビ」と呼ばれ、毛穴が詰まりアクネ菌が増え始めています。肉眼でも確認はできますが、とても小さい白い点というのが特徴で、しっかりと見ないとわかりません。
黒ニキビ
次の段階は「黒ニキビ」と呼ばれ、毛穴の中の皮脂が限界まで詰まると、毛穴が開きそこから出てきた皮脂が空気に触れることで酸化して黒くなった状態です。小さなホクロやシミのように見えるので、この段階になると気付きやすくなります。
赤ニキビ
ここから更に進行すると、「赤ニキビ」と呼ばれる段階に入り、炎症を起こしている周囲が赤くなり腫れてきます。場合によっては触れると痛みを感じ、この段階のニキビはニキビ痕が残りやすくなると言われています。
黄ニキビ
この状態を放っておくと「黄ニキビ」となり、膿が毛穴の表面に現れ、場合によっては痛みを伴います。黄ニキビの状態になると、アクネ菌がリパーゼという酵素を出し、毛穴の内部組織を破壊し始めるため、隣接する毛穴にも炎症が広がりダメージが大きくなります。黄ニキビはニキビ自体が改善しても皮膚表面が陥没して、クレーター肌になってしまい、色素沈着を引き起こしてしまい、ニキビ痕ができる可能性が高くなります。
紫ニキビ
最終的な段階になると、紫ニキビと呼ばれ膿と血液が混ざり合っている状態になります
指で触れるとしこりができている状態になっており、通常のニキビとは違う感触になります。黄ニキビよりも高い確率でニキビ痕ができてしまうため、自分で改善するというよりは、クリニックで診断してもらうことをおすすめします。
特殊なニキビやニキビに似た症状
マラセチア毛包炎
「マラセチア毛包炎」は、マラセチアというカビが関係した炎症です。顔ではなく、特に背中や肩、腕などに出ている場合はこの病状であることが多々あります。マラセチアを知らない皮膚科も多いため、ニキビと誤診されるケースが多々あります。
ステロイドニキビ
「ステロイドニキビ」は、ステロイド剤によるニキビのような発疹で、過剰なステロイドホルモンや、副腎皮質刺激ホルモン、蛋白同化ホルモンや、男性ホルモンの投与によっても生じます。
ヘルペス感染症
「ヘルペス感染症」はヘルペスウィルスによって湿疹のようなものができます。体調が崩れて抵抗力が落ちている時や、疲れが溜まっている時に発症しやすく、患部が赤く腫れかゆみや痛みを感じます。この他にもニキビに似た症状がありますので、ケアをしても治らないニキビがある場合には、皮膚科を受診しその症状について検査をすることが大切です。
まとめ
ニキビが出来てしまうメカニズムを知ることで、ニキビを改善するために気をつけることがわかってきます。ニキビには様々なタイプがあり、症状によってその治療方法が変わってくるので、正しいアプローチ方法を選択し、取り組むことが大切です。特に、見た目がニキビに似ていても、ニキビとは異なる病気があるため、ニキビ用のケアをしてもなかなか治らない場合には、早めにクリニックを受診することが大切です。なかなか治らないからといって、放置すると余計に肌の状態が悪くなり、痕が残ってしまう場合があるので注意が必要です。