ニキビ治療に健康保険は使えるか
【基礎知識 - ニキビ治療に健康保険は使えるか】
・保険が適用されるニキビの治療方法とは
一般的に初めてニキビの治療を受ける時は、保険が適用される皮膚科で診てもらいます。基本的に皮膚科で提供される治療は、現状のニキビの炎症を抑えることや、アクネ菌を除去することがメインです。保険診療のニキビ治療は、一般的には医師がニキビの症状をチェックして処方薬を決めます。処方される薬というのは、大体が抗生物質の塗り薬です。しかしそのニキビの症状によって、内服薬が処方され「ビタミンB群」や、「ビタミンC剤」などのビタミン剤が処方されることがあります。
これらのような皮脂や角質硬化を調整し、酸化予防や美白作用でニキビ跡に効果のあるビタミン剤が処方されます。他には「ディフェリンゲル」や、「ベピオ」は肌の角質を除去するピーリング作用があるので、角質硬化による毛穴詰まりを防ぎます。
治療費は、保険診療内でおさまるので2,000円前後が目安になります。保険適用内の治療については、ニキビの症状によって治療期間が長くなる場合があるため、日頃からの基礎スキンケアをしっかりとおこない、肌が改善しやすい肌環境を整えることが大切です。基本的に朝と夜の2回の洗顔で十分なので、それ以上の洗顔は控えましょう。また、洗顔によって洗い流された潤い成分の代わりに、しっかりと化粧水や乳液で潤いを与えることが大切です。
・保険が適用されないニキビの治療方法
自由診療の場合、保険診療よりも治療方法が増え最新の医療機器や保険適用外の薬を使用することができるので、より高い効果を期待できますが、その分治療費がかかるため、症状の内容によって使用するかどうかの検討が必要になります。主な治療方法としては、「ケミカルピーリング」「PDTニキビ治療(光線力学治療)」「イオン導入ニキビ治療」があげられます。
ケミカルピーリング
「ケミカルピーリング」は弱酸性のフルーツ酸を肌の表面に塗布し、肌表面の古い角質を取り除く方法です。この治療方法により毛穴のつまりを除去し、コメドを排出してニキビの炎症を抑える効果が期待できます。ケミカルピーリングに使用される薬剤には、フルーツ酸、グルコール酸などがあり、全て酸性のものが使用されます。ピーリング治療を受けると肌がピリピリとし、背術後に肌が赤くなる場合もありますが、2〜3日で通常の肌にもどります。1回の治療で約10,000円の費用がかかり、重度のニキビの場合には平均で10回前後の治療回数が必要になります。
PDTニキビ治療(光線力学治療)
「PDTニキビ治療(光線力学治療)」は、肌に光を当て毛細脂線組織に活性酸素を大量に発生させることで、アクネ菌やブドウ球菌などを除去します。
その光にはそれぞれの菌やその他の症状に効果があります。
青色LEDは、強力な殺菌作用をもちアクネ菌を駆除します。
赤色LEDは、抗炎症作用や熱の作用で血行や代謝を促進し、ニキビ跡に効果的です。
白色LEDは、肌の深部まで浸透しハリやツヤを出し、しわなどの予防が期待できます。
イオン導入ニキビ治療
「イオン導入ニキビ治療」は、微弱な電流を肌に流し込み、肌の奥までビタミンCなどの美容成分を届ける働きがあります。ニキビやニキビ後の治療については、症状によって異なるため、まずは自分のニキビの症状やどういう治療法が最適か、クリニックでカウンセリングを受け医師に相談しながら決めていくようにしましょう。
・その他のニキビの治療方法について
夏期ニキビ
「夏期ニキビ」は、20代前半の女性に多く見られ、春から夏にかけて発症します。秋になれば引いてきますが、それまでに改善したい場合は、高温多湿の環境で過ごすことを控え、汗をかいたら放置せずこまめに拭き取り、シャワーを浴びることが大切です。
ステロイドニキビ
「ステロイドニキビ」は、ステロイド剤の使用によって、背中や胸などにニキビのような斑点ができます。強いステロイド剤を使うほどステロイドニキビは出来やすいため、ステロイド剤の使用を中止し、テトラサイクリン系の抗菌薬を服用することで、改善ができます。その他にもニキビの治療方法はありますが、ご自身のニキビ治療に最適な治療法がわからない方はクリニックでカウンセリングを受け、医師とよく相談してみましょう。
まとめ
ニキビの種類もたくさんあるため、その治療方法も様々です。保険診療内でできる治療は、治療費用も比較的抑えられますが、その分治療に使用できる医療機器や処方薬が限られてしまうため、治療の範囲が狭くなってしまいます。それに比べ自由診療の場合、保険適用外の最新の医療機器や薬を使用できるため、ニキビ改善に最も効果的な治療方法から選択することができます。
またその効果についても、美容を目的とした治療が多いため、治療内容によっては肌が白くなり、ニキビ以外の効果を実感することができます。しかし、自由診療の場合は治療費用が高額になるため、治療回数や治療箇所についてもしっかりと確認することが大切です。保険診療か自由診療を選択する際は、どちらを選択する場合でもご自身の望む治療が受けられ、ニキビを改善するために効果的で、ニキビ痕が残らない治療を選ぶことが大切です。